…ふぅ。少し疲れたわね。この辺りで、休憩ね。
あれから、もう一年がたつのね。あっという間だったわ。
そう感じるのは仕事仕事の連続だったからかしらね。
でも、荒れ果てた帝都も、ようやく昔の姿を取り戻しつつある。
あと、もう一息よね。
失礼します、陛下。
お入りなさい。
陛下、近衛将軍が面会を求めておられます。
お通ししてよろしいですか?
私が呼んだのです。すぐにお通ししなさい。
かしこまりました。
陛下、差し出がましいようですが、
最近はお休みになっておられないご様子。
どうか、ご自愛くださいますよう。
陛下がお倒れにでもなられては、今の帝國は立ち行きませぬ。
心得ています。
今日は早めに切り上げようと思っていますから。
あなたにも、心配かけますね。
もったいないお言葉。
それでは、近衛将軍をお呼びして参ります。
お願いします。
…ザギヴがディンガルを統治する。
ゾフォルの予言通りになった。
私にとっては、呪われた予言…。
でも、今は違う。大勢の人が、私を応援してくれる。
皇帝となった私を受け入れてくれる。
そして、あの人が…私を闇から救ってくれた
あの人が、私を支えていてくれる…。
眠りにつこうとするとき、今でも、ときどき恐くなる。
朝、目を覚ましたとき、また、
あの闇が私を覆ってしまうのではないか、って。
でも、もう大丈夫よね。
たとえ、闇にとらわれたとしても
私の騎士が救い出してくれるから。
私を絶望から救ってくれたカーンが、
いつもそばにいてくれるのだから。
開いているわ。入って。
ふふふ。カーンったら。
私の部屋で、そんなことはしなくていいって、
言わなかったかしら?
さぁ、それでは、近衛将軍閣下。
私はこれから、帝都の巡察に出かけます。
あなたには道中の護衛を命じます。よろしいかしら?
うふふ。では、行きましょう。私のナイトさん。
(カーン。あなたがいてくれれば、私、大丈夫よね…。)
ふふ。なんでもないわ。…ありがとう。 |