…これより、ロストールはロセン及び
　リベルダム復興にも、積極的に助力を開始します。
　よろしいですね？

　し、しかし、そんなことをすれば、両国は…。

　それを資金に武力を強化し、ロストールを攻めはしないか？
　そいうのでしょう？わが国の財政に余裕がないのも確かです。
　でも、そんな時だからこそ、
　他国との交流を欠いてはなりません。
　ロセンやリベルダムが復興することによって
　実現する協調的な国際世界…。
　その渦中において、ロストールが発言権を持つための、
　いわばこれは布石なのです。

　そ、そこまでお考えとは…
　余計な詮索をしてしまってお恥ずかしい。
　我ら貴族も、微力ながら力をお貸しいたします。


　ふふふ、お疲れのようね、ダフネス様。

　ダフネス様がいらしたくださったおかげで、
　場がぐっとしまりました。
　きっと、ティアナだけでは、
　まだ説得力に不安がありますもの…。

　いいえ、わかっていますわ。まだまだ女王としては力不足。
　でも、やるしかない。
　やらねば、知識も判断力も度胸も育ちはしないもの…。
　ここまで、いろいろなことがあった…。
　そして、いろいろな方々が、
　私のそばからいなくなってしまった。
　…ダフネス様、私は、かわいそうな女でしょうか？

　…あ、忘れていましたわ。
　私には、ダフネス様がいらっしゃるというのに…。
　それなのに、かわいそうだなんて、ダフネス様に失礼でしたわ。
　私は、私。そうよ、私のやりかたで行こうと思います。
　ありがとう、ダフネス様。

　安心したら、何だか、ずっと体が楽になりましたわ。
　ねえ、ダフネス様は、湖はお好きかしら？
　今年も渡り鳥の群れが山の向こうの湖に舞い降りたそうですわ。
　これから見に行きませんか？

　あら、さっきうなづいてくれたばかりなのに、
　もうそんなことをおっしゃるの？

　ふふふ、行きましょうダフネス様。
　いつか、一緒にお城を抜け出した時みたいに！